東洋医学漢方
漢方薬とは?
漢方薬=中国の薬ではありません。確かに、中国大陸から伝来した書物に記された処方が使われていますが、日本で創られた処方も数多くあります。特に江戸時代は、数々の名医たちが自らの臨床経験や医学的知識から処方を生み出し、それが現代でも応用されています。漢方薬は、数種類の「生薬(しょうやく)」―植物の葉・根・茎・果実や鉱物など、自然界に存在する天然物の組み合わせで構成されます。そして、無限にある生薬の組み合わせの中から、歴史的に治療効果を認められたものだけが「処方(しょほう)」として使われています。ドクダミ、アガリクスなど、1種類だけの生薬を習慣的に用いる民間薬や健康食品とは区別しています。一般病院では顆粒状の「エキス剤」を使用するので煎(せん)じる必要はありません。また、健康保険も適用されます。
漢方薬はどんな病気に使うの?
更年期障害や冷え症などの婦人科疾患、胃もたれや便秘などの消化器疾患に対する漢方薬が有名ですが、適応症または病気や症状に限りはありません。それは漢方薬が、からだの中に存在する悪いものを取り除き(=瀉(しゃ)する:瀉(しゃ)剤(ざい)を使う)、足りないものを補う(=補(ほ)する:補剤(ほざい)をつかう)ことによって、人間が本来持っている「正常な状態に戻す力」を助ける作用があるからです。最近では、病院で検査をしても異常は指摘されないが、なんとなく調子が悪いという状態を「未病(みびょう)」として、漢方薬で良くしようとする考え方も一般的になりました。また、漢方薬は長期間服用しないと効果がないという印象をもたれますが、感冒などには即効性があり、処方した側も驚くことがあります。その他、腰椎椎間板ヘルニアや変形性膝関節症などの整形外科疾患、がんに対する化学療法の副作用軽減や免疫力向上、手術治療後の早期回復など、診療科を問わず広い分野に応用されています。西洋薬だけ、漢方薬だけという考え方ではなく、病態に応じて使い分けることで、それぞれの特性を生かすことができます。それがわれわれ現代人の受けられる恩恵なのです。
服用方法は?
食前30分前、または食間(食後2時間)に服用します。漢方薬は空腹時のほうがよく吸収されるからです。また、一般的に西洋薬は食後服用が多いため、服用する時間をずらすことにより、西洋薬と漢方薬がお互いに影響しないようにします。ただし、どうしても忘れてしまう場合は食後服用でもかまいません。そのまま粉薬として、水またはぬるま湯で服用します。粉薬が苦手な方はオブラートに包むか、100~150ccのお湯に溶かして服用してください。湯に溶かすことにより、体の中で薬の濃度が急激に上がることを防ぐといわれていますので、特にご年配の方はこの方法をお勧めします。また漢方の香りをかぐことも治療の一つとされています。お茶やジュース、牛乳などと一緒には服用しないで下さい。
どうやって薬を決めるの?
症状、疾患はもちろん、
- 問診(もんしん)
生活習慣など多岐にわたる - 脈診(みゃくしん)
脈拍数ではなく、浮沈、数遅などを診る - 舌診(ぜっしん)
色、形、苔の性状を診る - 腹診(ふくしん)
腹を押してその反発する力や、圧痛の場所などを診る
以上の「四診(ししん)」を参考に、患者さんの体質や病気に対する抵抗力を判断します。また、「気血水(きけつすい)」「五臓(ごぞう)」「六病位(ろくびょうい)」など、漢方独特の理論も応用し、最終的には医師の経験を総合して処方を決定します。同じ疾患でも患者さんによって処方される薬が違うことはよくあります。漢方薬による治療が「オーダーメード治療」といわれるのはこのためです。
漢方薬は副作用がないの?
漢方薬は副作用がないと思われていますが、実際にはあります。原因としては、体質を無視して自己判断で薬を購入したり、病状に合わない処方が使用されたことが考えられます。また、個々の生薬の中には毒性の強いものや副作用を起こしやすいものもあります。代表的なものは「甘草(かんぞう)」のむくみ・血圧上昇、「麻黄(まおう)」の動悸・胃痛などです。しかし、これらは漢方薬の副作用ではなく、医師の「誤治(ごち)(=誤った使い方)」による反応も含まれます。これらを避けるためには、漢方薬の専門的な知識が必要です。
受診するにはどうしたらいいの?
別表の漢方外来診察日に、通常と同じ方法で受付をして下さい。わからない場合は総合受付か、すでに他の科に受診されている場合は、その科の看護師にお尋ねください。
すでに病院で見てもらっているけど、それでも受診できるの?
漢方薬と西洋薬の両方で治療することはよくあります。すでに西洋薬で治療を受けている方は、漢方薬の併用でさらなる効果を期待し、また薬の量を減らすことを目標にしていきます。両方の薬を服用することについて心配な場合は、主治医または薬剤師にお聞きください。
対象となる主な疾患
| 疼痛性疾患 | 膝痛・腰痛・肩こり・頭痛・関節リウマチなど |
| 皮膚科疾患 | アトピー性皮膚炎・にきび・じんましんなど |
| アレルギー性疾患 | アレルギー性鼻炎・アレルギー性皮膚炎など |
| 消化器疾患 | 過敏性腸症候群・慢性胃炎・便秘など |
| 呼吸器疾患 | 喘息、かぜなど |
| 婦人科疾患 | 冷え・月経困難・月経痛・更年期障害など |
| 精神神経科疾患 | うつ・不安感・不眠など |
| 耳鼻科疾患 | 難聴・耳鳴り・めまいなど |
| 生活習慣病 | 糖尿病・痛風・肥満など |
その他、検査では異常がなく治療法がないとされている方、従来の西洋薬での治療でなかなかうまくいかない場合や、胃障害などの副作用がでて薬が使えない方、漢方薬に興味のある方はぜひ一度お試しください。
漢方で治療できるかわからないときは?
東洋医学外来担当の全医師が、西洋医学における専門医資格をもっています。東洋医学で治療可能かどうかわからない場合でも気軽にご相談ください。西洋医学的治療を優先したほうがいいと判断した場合でも対応いたします。専門医への紹介も可能です。
検査はできるの?
採血やレントゲン,MRI等の画像検査など、西洋医学的な検査も利用しながら客観的な評価を行います。漢方だけでの治療が難しい疾患や、より詳しい検査が必要と判断したときは、それぞれの科の専門医に相談し、診察をうけていただく場合もあります。
診察担当医師
(常勤)
- 役職
- 漢方内科部長
- 専門
- 整形外科、痛み・しびれの漢方治療
- 博士号・認定医等
- 日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本東洋医学会専門医、北里大学 東洋医学総合研究所 客員医師
(非常勤)
- 専門
- 小児科、こどもの漢方治療
- 日本小児科学会専門医、北里大学 東洋医学総合研究所 特別研修医
(非常勤)
- 役職
- 鍼灸師
- 専門
- 肩こり、腰痛、逆子の鍼灸治療
- 博士号・認定医等
- 日本医学柔整鍼灸専門学校
診察日
| 漢方外来 | 木曜日(午前・午後) | 堀田 広満 |
|---|---|---|
| 金曜日(午前・午後) | 八代 忍 | |
| 第1・3土曜日(午前) | 八代 忍 | |
| 鍼灸外来 | 木曜日(午前・午後) | 八代 忍 |
| 金曜日(午前・午後) | 矢吹 杏子 |
月・火曜日は休診です。
診察日に学会出張等で休診となることもあります。初めての診察希望や再診日の変更希望の方はお電話で確認してください。
連絡方法 電話0287-23-1122 大田原赤十字病院 代表番号
オペレーターが出ますので、「東洋医学外来へ」とお伝えください。



